昭和30年代はじめに登場、従来のSPレコードに取って代わったのが45rpmの
EPレコードだったのです。そしてこのEPレコードは昭和末期CDに変わるまで続きました。
SP時代との違い、と言えば
@軽くなった(中身じゃなくレコード本体、ね)
Aステレオ対応になった(SPでも可能だったと思いますがタイミングの問題でしょう)
ただ、このことは一概に「向上した」とは言えず、音溝の振動方向が横だけでなく縦方向にも増え、
その結果“ノイズに弱い”ものになったのは事実です。
B材質が変わった(@にも関係するが盤自体黒一色からカラー化が可能に)
Cジャケット(歌詞カード)がよく引き合いに出され、レコード(レーベル)の存在価値が
薄くなった。(SPにも歌詞カードは存在したがこれらは別々に扱われることが多い。この
ことはそれぞれに価値があることを示す)
・・・・・というわけで、EPジャケットコレクション昭和30年代からです。
昭和30年代いろいろ
EPが登場しSPを過去のモノへ駆逐。まだレコードもモノラル、ジャケットも白黒か写真なしが主流だった。
夜霧の第二国道 フランク 永井(A面)/宮川 哲夫 作詞:吉田 正 作曲 ビクター VS−39 昭和32年10月発売 ★★★☆ |
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これはEPが登場して間もない頃のレコードです。ジャケット、というよりSP時代の歌詞カードそのまま(SP・EP同時発売の頃ですから恐らく兼用でしょう)です。まだその後のようなジャケットの体裁が整う前、ということになりますね。 | |
釧路の駅でさようなら 三浦 洸一(A面)/吉川静夫 作詞:豊田一雄 作曲 ビクター VS−109 昭和33年 6月発売 ★★★ |
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「いつも貴女がつけていた 口紅いろの赤い灯が・・・・」三浦洸一の格調高い歌唱が印象的(この人は全体的にそうですが)。B面の「こいさんのラブコール」も捨てがたい名唱です。 ちなみにSP盤のレコード番号は(V−41807,同時発売)でした。 | |
夜霧の滑走路 三船 浩/横井 弘 作詞:飯田 三郎 作曲 キング EB−101 昭和33年 7月発売 ★★★☆ |
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低音ブームを↓のフランク永井と共に支えていたひとり、三船浩によるヒット曲でした。 誘導灯が夜霧に静かに浮かび上がる、そんな情景が浮かんで来るかのようなムードの曲ですね。 |
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夜霧に消えたチャコ フランク 永井(A面)/宮川 哲夫 作詞:渡久地 政信 作曲 ビクター VS−190 昭和34年 4月発売 ★★★ |
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フランクの低音を最大限に活かした、といっても過言でない曲調・歌唱ですね。この年のレコード大賞・歌唱賞を受賞しています。 確かにこの年はイイ曲が多いですね。 |
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古城
三橋 美智也/高橋 掬太郎 作詞:細川 潤一 編曲 キング EB−174 昭和34年 7月発売 |
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栄華の夢も時代の移ろいも黙して語らず、そして古城は何想う・・・三橋美智也の絶唱が印象的なこの曲です。 この年創設された「日本レコード大賞」を1票差で逃した(大賞は「黒い花びら」)のですが日本を代表する名曲には違いない、と思うのです、私は・・・・・ |
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黄色いさくらんぼ/ピンクムーン スリー・キャッツ/星野 哲郎 作詞:浜口 庫之助 作曲 コロムビア SA−240 昭和34年 8月発売 |
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♪若いムスメは、、ウッフーン・・・ これだけでも有名ですね。私はどちらかというとゴールデン・ハーフ盤のほうが“なじみ”でしたがオリジナルはこちら。 片面の「ピンクムーン」はお色気100%炸裂です・・・・ 松竹映画「体当たりすれすれ娘」の主題歌(なんちゅータイトルだ)だった |
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可愛い花
ザ・ピーナッツ/音羽 たかし 作詞:宮川 泰 編曲 キング EA−82 昭和34年11月発売 |
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彼女たちよりデカい麦わら帽子、がよく解りませんが。ザ・ピーナッツのレコード・デビュー盤。 A面はシックス・ジョーズ、ピーナッツが“豆を売ってる”B面は東京キューバン・ボーイズとの共演、とこちらも楽しめます。 |
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浅草姉妹
並木 栄子・葉子/石本 美由起 作詞:遠藤 実 編曲 コロムビア SA−252 昭和34年11月発売 |
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まだ「こまどり姉妹」と名乗る前の一枚。同じ双子、ザ・ピーナッツの洋風に対しこちらは和風路線でした。 (もっとも洋装でエレキに挑戦したのもありますが・・・・) |
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恋の片道切符
雪村 いづみ&ミッキー・カーチス/ 朝比奈 知子/川路 美樹 作詞:寺岡 真三 編曲 ビクター AS−6024 昭和35年発売 |
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これはビクターEP初期にあった「文字だけ」ジャケです。この曲のデュエットというのはこのレコードで初めて聞きました。組み合わせも変わっているように思いますが・・・・・・・ | |
月の法善寺横丁
藤島 桓夫/十二村 哲 作詞:飯田 景応 編曲 東芝 JP−1122 昭和35年10月発売 |
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♪包丁一本〜という出だしより中間のセリフ「わてはこいさんが好きになりました・・・」の方が有名ですね。藤島にとっても東芝移籍後初ヒットになりました。大阪出身の彼にとっては“ハマリ”とも言えますね・・・・・・・ | |
流転 三浦 洸一/石浜 恒夫 作詞:大野 正雄 作曲 ビクター VS−301 昭和35年発売 |
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朝日放送制作のTVドラマ「流転」の主題歌でした。↓に出てくる上原敏の同名曲とは詩曲ともに異なります。コチラは♪泣くもんか〜泣くもんか〜・・・・の方です。 ちなみにB面曲は同放送のホームソングでフランク永井が歌っています。 |
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大利根無情
三波 春夫/猪又 良 作詞:長津 義司 作曲 テイチク NS−105 昭和34年 6月発売 |
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三波春夫お得意の“浪曲歌謡”です。この盤もEP・SP並列販売でSPのレコード番号は「C−4271」となっています。 このあと浪曲入りとしては9分に及ぶ大作、♪槍は錆びてぇも〜こぉころのにしぃきぃ・・・の「俵星玄蕃」が出ています。 | |
お別れ公衆電話 松山 恵子/袴田 宗高 作詞:袴田 宗高 作曲 東芝 JP−1083 昭和34年11月発売 |
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別れ告げない旅立ちなのに気が付きゃ貴方にかけてた駅の公衆電話・・・・悲しい女の真情にギリギリと噛みしめるような松山恵子の歌唱が光ります。 まぁ今でしたらケータイがありますから、こう“ドラマチック”には行かないかも知れませんね。 (と言うより公衆電話自体が減った気もしますが・・・) |
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潮来笠 橋 幸夫/佐伯 孝夫 作詞:吉田 正 作曲 ビクター VS−367 昭和35年 8月発売 |
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橋幸夫のデビュー。 ♪いたこのい〜たろ〜チョットみな〜れぇばぁぁぁ・・・・ (それだけ?) |
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再会 松尾 和子/佐伯 孝夫 作詞:吉田 正 作曲 ビクター VS−373 昭和35年 9月発売 |
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♪逢えなくなって 初めて知った・・・・表向きの感情を抑えることでより感傷的に訴える、松尾和子独特のフィーリングが堪能できる佳曲です。 | |
有難や節
守屋 浩/浜口 庫之助 作詞:編曲 コロムビア
SA−489 昭和35年12月発売 |
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高度成長期を象徴する代表曲と言えるヒット曲ですね。 俗謡に詞を新たにつけたもので「ナンセンスな軽さ」がウリですがクレージーキャッツとは一つ違う「軽さ」が出ていますね。 |
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さよならはダンスの後に
倍償 千恵子/横井 弘 作詞:小川 寛興 作曲 キング
BS−189 昭和40年 3月発売 |
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♪何も云わないでちょ〜だい・・・・S25の「ダンスパーティーの夜」(歌:林伊佐緒)の女性版と言える作品で彼女にとっても代表曲と言えるヒット曲ですね。なお、デザイン違いのジャケットがもう一種類あります。 | |
王将
村田 英雄/西条 八十 作詞:船村 徹 作曲 コロムビア SA−735 昭和36年11月発売 |
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坂田三吉がモデル。(私は)終戦直後の阪妻主演の映画を想い出しました。ジワジワと売れ、歌の方のヒットは翌年になってからでした。 | |
星屑の町
三橋 美智也/東条 寿三郎 作詞:安部 芳明 作曲 キング EB−669 昭和37年発売 |
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♪両手をまわして帰ろ〜が印象的。なんともいえない“ノンビリ”したムードがいいですね。作詞は「上海帰りのリル」などが有名な東条寿三郎です。写真も音もモノクロームの頃でステレオ録音直前でした。 | |
湖愁
松島 アキラ/宮川 哲夫 作詞:渡久地 政信 作曲 ビクター VS−569 昭和36年10月発売 |
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渡久地政信によるロッカバラード。松島アキラはこの後「あゝ青春に花よ咲け」のヒットがあります。 | |
流転
赤木 圭一郎/藤田 まさと 作詞:阿部 武雄 作曲 ポリドール DJ−1126 昭和36年 3月発売 |
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事故死した赤木圭一郎の追悼盤として発売。もともと昭和12年に上原敏が出したもののリバイバル。 ロックのリズムでのアレンジは藤原秀行。事故に遭う30時間前に録音されたもので♪どうせ一度は あの世とやらへ〜・・はちょっと因縁めいたものを感じます。片面はマンボにアレンジされた「旅笠道中」を宍戸錠で。(おいおい) | |
銀座の恋の物語
石原裕次郎・牧村旬子/大高 ひさを 作詞:鏑木 創 作曲 テイチク NS−343 昭和36年 3月発売 |
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ひと昔前、カラオケでデュエットの常番と言えばこの歌でした。オリジナルレコードではB面は2曲(街から街へつむじ風,ゆがんだ月)入り、となっています。 | |
グッド・ナイト/東京ナイト・クラブ
松尾和子・和田弘とマヒナ・スターズ(A面) ビクター VS−232 昭和34年12月発売 |
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B面曲も↑と同じくカラオケでデュエットの常番でした。両面ともムーディーに夜を歌い上げてます。 | |
なみだ船
北島 三郎/星野 哲郎 作詞:船村 徹 作曲 コロムビア SA−929 昭和37年 8月発売 |
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この曲は出だしの4音で決まる歌といえます。正直なハナシ、私はいわゆる「サブちゃん」系演歌はあまり好きではありませんがこの歌は別です。彼はこのあと新生クラウンへ移籍しました。 | |
ひばりの佐渡情話
美空 ひばり/西沢 爽 作詞:船村 徹 作曲 コロムビア SA−1002 昭和37年10月発売 |
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上が4音ならこれは3音でキマリです。(なんか“メロディーアタック”みたいですが←覚えてます?)船村作品の中でも難易度の高い歌ですからカラオケなどで歌うのはヤメといた方が無難ですね。 | |
霧子のタンゴ フランク 永井/吉田 正 作詞:作曲 ビクター VS−861 昭和37年12月発売 |
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珍しく吉田正が作詞をしています(実際には他にもいくつかありますが)。「霧子」という名は単に語呂合わせなのか実在するモデルがいたのかは知りません、がナカナカにジーンと来る熱烈な愛の歌なのですね。それを低音のフランクに歌わせたところが計算なのかも知れませんが。 | |
夜は恋人 中原 美紗緒/梶 鶴雄 訳詞:H.Giraud 作曲 キング EB−7193 昭和38年 4月発売 |
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イタリア映画「甘い夜」の主題歌となっていますが「マルマン深夜劇場」のテーマ、といった方がわかりやすいでしょう。ジャケ写ひとつをとっても夜のムードがよく出ていますね。 | |
あゝ上野駅
井沢 八郎/関口 義明 作詞:荒井 英一 作曲 東芝 TR−1053 昭和38年10月発売 |
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TBS田園ソング、とあります。北からの新幹線は東京に乗り入れましたが夜行列車は今でも上野が終点(起点)になっています。2番詞にでてくる“就職列車”が時代を感じさせますね。 なお、のち間奏にセリフが入りましたがオリジナルには入っていません。 | |
ウナセラ・ディ東京
和田弘とマヒナスターズ/岩谷 時子 作詞:宮川 泰 作曲 ビクター SV−24 昭和39年発売 |
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「ウナセラディ・・」といえばピーナッツの歌で有名ですね。(というか競作になっていた事実を知りませんでした) このレコードではフォルクローレ色の強いアレンジですが(アレンジは和田弘)、ハワイアンの香りもします。(多分スチールギターの影響でしょうか)個人的にはやっぱりザ・ピーナッツ盤の方が好きです・・・・・ | |
学生時代
ペギー 葉山/平岡 精二 作詞・作曲 キング BS−144 昭和39年発売 |
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これも世代を越えたヒット曲ですね。案外歌ったことのある方、多いのでは・・・・ | |
アリューシャン小唄
三沢 あけみ/作者不詳:渡久地 政信 採譜 ビクター SV−232 昭和40年 4月発売 |
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この頃あった“ネリカンブルース”の亜流のような「替え歌」です。つまり元唄は“兵隊俗謡”であったわけです。(この歌にも“元唄”があるかもしれませんが・・・・) | |
下町育ち
笹 みどり/良池 まもる 作詞:叶 弦大 作曲 クラウン CW−362 昭和40年10月発売 |
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フジ系の同名ドラマの主題歌でした。「習わなくても女は泣ける・・・」という詞がイイですね。しかし彼女、ちゃんと“アイドルポーズ”をしているところがもっとイイです(ワタシ的には)。 |